クローザーとて機械ではない。
サファテは4月6日の本拠地
ロッテ戦、同点の9回に登板し、
デスパイネに決勝ソロを浴び、今季初黒星を喫した。ただこれは、苦戦を物語る一幕ではない。これが珍事に映るほど、
ソフトバンクのクローザーは盤石だ。
広島、
西武を経て2014年にソフトバンク入り。37セーブを挙げ、翌15年にはパ・リーグ記録となる41セーブをマークした。今春キャンプはチームで唯一、9日遅れの合流。自宅のある米アリゾナ州での自主調整が容認されていた。工藤監督は就任直後の14年オフ、プライベートでアリゾナ滞在中に、トレーニング施設でサファテと対面したことがあった。
「やりすぎてしまうところもある。休むことも大事。昨年あれだけ投げたというのもある」
昨季は故障予防の観点から、投手の登板数を60試合以内に抑制。その中でも献身的な守護神は、チームで唯一60試合超に登板しており、9日遅れの合流にはそういった経緯もあった。
こうした方針にかまけることなく、サファテは5度ブルペン入りしてキャンプイン。「これまでの2年間と同じくらい投げられる体はつくってきた」と胸を張り、順調そのもので開幕を迎えた。強力に映るブルペン陣も、万全ではない。バリオスの不調や五十嵐の離脱もあり、セットアッパーが流動的なチーム事情にあっても、ほころびは顕在化しなかった。1点前後の防御率、イニングを上回る奪三振……。リレーのアンカーが盤石だからだ。