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ソフトバンク サファテ投手・苦労を見せないナイスガイ

 



 その日で7連投、5日連続のマウンドだった。5月7日の楽天戦(ヤフオクドーム)。連勝街道を行くチームも、どういうわけか接戦続き。この試合も9回を迎えて1点リードという状況で、サファテに出番が巡ってきた。最速157キロと疲れは見せない。一死二塁のピンチを気迫で脱出し、両リーグ最速で10セーブに到達した。

 ソフトバンク入りした2014年から代えの利かないクローザーになった。秋山前監督も登板ペースには気を配り、昨季までは3日連続登板が最長。今回も3日連続登板となった時点で、工藤監督は「本人と話してみる」と慎重になっていた。4日連続登板となり、首脳陣はサファテに休養日を打診。もっとも、サファテは甘んじることなく、ベンチ入りを希望した。

「朝起きたら、肩やヒジは思ったほど張っていなかった。彼らの数週間の困難を考えれば、弱音は吐けない」

 この試合、三塁側の内野席に、熊本地震で被災した熊本県の児童らを招待していた。工藤監督も「彼(サファテ)の頑張っている姿は、しっかり子どもたちに焼き付いたと思う」と感じ入った。

 翌8日はさすがにストップがかかった。またも僅差、2点リードの9回のマウンドには、代役で森が上がった。抑えた森を、サファテは「ナイスピッチング!」と笑顔で迎える。森は「デニス(サファテ)は『7、8、9回はどれも一緒』と言っていたけど、まったく違いました」とナイスガイの日ごろの苦労を思っていた。
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