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日本ハム 矢野謙次外野手・局面打破のスーパーサブ

 



 まだ記憶に新しい。鮮烈な所信表明のインパクトは強烈だった。ベテランの矢野謙次。今シーズンは代打の切り札、若手主体のチームの中で貴重な経験値豊富なコマとして期待されていた。開幕前に慢性的な不具合を抱える右ヒザのコンディションが改善せず、現在は二軍で調整中だが、首脳陣が一軍復帰を切望している。いまだ全力での走塁、守備に不安を残している状況。「打撃だけは大丈夫なんですが」と苦悩する。

 ちょうど1年前にサプライズな働きをした交流戦でのカムバックを目指している。昨年6月10日。巨人との交換トレードが成立し、新天地へと移った。その2日後のDeNA戦(札幌ドーム)で「六番・DH」でデビューし、いきなり3安打の猛打賞。翌日の同戦では逆転3ランと鮮烈な輝きを放った。2戦連続でヒーローインタビューを受け、北海道のファンにもすぐに受け入れられ、真骨頂の勝負強さで戦力になった。

 本拠地の兼ね合いで、DH制の有無がある交流戦では試合の機微を読む采配が明暗を分ける。矢野が「準備が大切」というここ一番での代打は、通常のパ公式戦よりも重要度が高まる。矢野も含めて開幕から主力野手が故障などで出遅れ、今は適任がいない状況。矢野が戦列に戻ってくれば、ベンチワークに心強さが増す。5月上旬には栗山監督と面談し、方向性を確認もした。セ・リーグの野球を熟知する熱さあふれる男が加われれば、戦闘態勢は強固になる。
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