ド派手なパフォーマンスと豪快な打撃だけではない。チームの顔の1人になった
ブランドン・レアード。優良助っ人が付加価値をアピールしているのがディフェンス力だ。不動の三塁を任されて6月28日現在、72試合に出場してわずか1失策。鉄壁といっていい堅守ぶりで内野の一角を担っている。「できることをやっているだけ」と涼しいが、首脳陣の信頼は厚い。
懸案材料だったホットコーナーを2年連続で任されている。レアードが加入する以前、14年には中田が三塁転向に挑戦。同年オフに
オリックスへFA移籍した小谷野の後継者として育成に乗り出したが、開幕前に断念していた。その年は打力を買って捕手の近藤を急きょ起用して乗り切ったが、球団の狙いに微妙なズレが生じていたポジション。来日した昨季からレアードに命運が託された。
柔らかいハンドリングのグラブさばきに、安定した力強いスローイング。それでも昨季は日米の違いなどにも戸惑い、パ・リーグの三塁手ではワーストの17失策を犯した。適応した今季、シーズンのほぼ半分の試合数を消化しての1失策は劇的な進化。ポジショニングの工夫などで改善も図るなど、努力も怠らない。
本塁打を量産中で、勝負強さで大仕事も連発している打撃が一番の魅力だが、秀でた守備という一面も魅力だ。栗山監督も「あれだけ守れることも大きいよね」と評価。内野を堅実に務める総合力の高さで存在感を増している。