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西武 永江恭平内野手・正遊撃手不在を解消する男

 



 プロ入り5年目を迎えているが、その守備能力の高さは、高卒入団時から首脳陣に絶賛されてきた。球際の強さ、グラブさばき、捕球のタイミング、安定した送球など、いずれもチーム屈指の技術を誇る。ただ定位置を奪えずにいるのは、打撃力の低さゆえ。過去4年の成績を見ても、最高打率.182(2014年15年シーズン)の数字がすべてを物語る。二軍打撃コーチ時から見続けている田邊監督も「これで打率が.250まで上がれば、一億円稼げる選手にもなれるのに」と、太鼓判を押す逸材だけに、もったいない。当然、1年目から各打撃コーチも早出特打、個別練習など、必死に指導を続けている。さらに、オフシーズンの自主トレを栗山、上本ら実績ある先輩と行い、さまざまなアドバイスを受けている。

 そんな中、変化の兆しが見えて来たのが6月26日のロッテ戦(西武プリンス)だ。この日5月15日以来の先発出場を果たすと、今季初安打を含む3安打1打点の猛打賞。これまで、守備固めとしての途中起用が主で、打席が回ってきた時には代打を送られることも少なくなかったが、その悔しさを晴らしてみせた。毎日、早出練習前に室内練習場で打ち込んできた成果が、ようやく奏功しつつあるようだ。このまま打撃の状態が上がれば、13年以来チームが抱え続けている『正遊撃手不在』の悩みは、一気に解決する。今季はチーム全体の失策が目立つだけに、永江恭平の堅守はなおさら必要。打撃好調が一過性のものでないことを願うのみだ。
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