週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

ソフトバンク 岡本健投手・緊張感に負けないように

 



 役割は不定だ。試合序盤からブルペンでスタンバイ。スクランブル要員ではあるが、強力先発陣を擁するソフトバンクでそうした機会はあまりない。ある程度、点差が開いたところ。それが岡本健、3年目の近況だ。

「任せてもらったところで投げるだけなんで」

 一見すると苦しい立場だが、もっとも、今季一軍初登板を果たしたばかり。4月のプロ初昇格から一軍登録され続けていることが、昨季までとの大きな違いだ。

 神戸国際大付高から新日鐵住金かずさマジックへ進み、3年目にエースとなって初の都市対抗4強入り、日本選手権初優勝に貢献した。2014年ドラフト3位で即戦力と期待され入団したソフトバンクでは、分厚い戦力層に押される。2年目だった昨年4月には右ヒジ骨棘切除などの手術を受け、以降のシーズンを棒に振った。

 同年オフ、台湾のウインター・リーグ派遣が転換点となった。迎えた今季は春季キャンプ初のA組スタート。ブルペンでは工藤監督が横に立ち、ポイントを解説しながら投球する姿がたびたび見られた。初登板は昇格9日後の4月17日楽天戦(ヤフオクドーム)。「先頭打者が(塁に)出た瞬間、ゼロに抑えないと……と思ったけど、打たれて落ち着いたというか」。1回を無失点だったが、一軍の打者から想像どおりにアウトを取るのは容易ではない。

「緊張感の中で最大限のパフォーマンスができるように」

 不測の事態に動じず、腕を振るのみ。今の仕事の本質だ。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング