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ソフトバンク 東浜巨投手・才能がついに花開いた

 



 甲子園V腕が、ようやくプロの舞台でもその能力を覚醒させた。6月3日の広島戦(マツダ広島)。4年目で交流戦初登板となった東浜巨が、6回2/3を3安打1失点で、シーズン自己最多の4勝目をマークした。

「4勝目?特にないです。今までは全然活躍できていない」

 黒田との投げ合いを制しての白星にも、満足の表情はない。3球団競合の末、亜大から鳴り物入りで入団しながら1年目から昨季までの勝ち星は3勝、2勝、1勝。背水の覚悟で臨んでいる右腕は、4勝目以降も白星を重ねている。

 工藤監督との出会いが、眠っていた能力を呼び覚ました。沖縄尚学高では3年春のセンバツに出場し、登板5試合で防御率0.66を記録し優勝。当時からプロの高評価を受けていたが、亜大へと進んだ。大学でも東都リーグ新記録の通算16完封を達成。大きな期待を受けての入団となったが、昨季まで目立った成績を残せなかった。昨年就任した工藤監督は「彼の持っているものからしたら、まだ全然出せていない」と、秋季キャンプでは強化指定選手として徹底的に体幹や下半身強化を直接指導。今季も「鍛えながら投げさせる」と、先発ローテ投手としては異例の週3日のトレーニングを並行していることで、才能が開花した。

 6勝を挙げた前半戦では、涌井、則本、黒田らの相手エースに次々と投げ勝ち、後半戦開幕のマウンドも託された。日に日に信頼を増す右腕が、プロでもVに貢献する。
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