ファームでもがいているのは
秋山拓巳だ。二軍では先発ローテーション入りして答えをだすが、一軍マウンドになると高い能力を生かし切れないのが現状となっている。
「これからまだチャンスがあると思っているので、そこを目指して二軍でも結果を求めていきたい」
かつては高校球界の星だった。秋山の名が知れ渡ったのは、愛媛・西条高2年のときだ。恵まれた体格から、常時140キロを超すストレートを投げる本格派として、たちまちプロから熱視線を浴びることとなった。
3年春夏の甲子園に出場した上に150キロ(明豊高戦)をマークしたのだ。また、高校通算48本塁打を記録するなど、投打に非凡さを発揮した。
プロスカウトからは
伊良部秀輝、
佐々木主浩らの剛球ピッチャーに匹敵する逸材とされ、その怪物ぶりは「伊予ゴジラ」とニックネームがつくほどだった。
ただ高卒ルーキーの
阪神1年目に4勝(3敗)を挙げたが、その後は13年の8試合が最多登板に終わっている。7年目の今春キャンプは「6番目の先発」を争ったが、結局は一軍で生き残れなかった。
5月に初昇格したが、2試合に中継ぎ登板し、防御率10.80で、そのまま二軍にUターン。
「ストレートの精度を磨くことの必要性を感じている」
一軍で戦力になることを目指す秋山にとっては正念場が続く。