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DeNA 田中健二朗投手・センバツV投手の誇りを胸に

 



 2007年センバツは優勝、同年の夏は準優勝。常葉菊川高(静岡)の3年生エースとして甲子園で計6勝を挙げた田中健二朗は、今シーズン、中継ぎ陣の軸として奮闘を続けている。96試合を消化した7月28日まででチーム2位の38試合に登板。防御率1.23と安定感を示している。

 センバツでは1回戦で佐藤由規(現ヤクルト)を擁する仙台育英高(宮城)を破り、準々決勝では大阪桐蔭高(大阪)の中田翔(現日本ハム)に1安打も許さず競り勝った。決勝の大垣日大高(岐阜)戦では疲労から先発しなかったが2番手として好救援。優勝投手となった。エース左腕は続く夏の大会で重圧を味わった。

「甲子園に出るまでがしんどかった。勝って当たり前の雰囲気だったし、相手は失うものがない、みたいな」

 だが、それもはねのけて甲子園に出場。準決勝では野村祐輔(現広島)、小林誠司(現巨人)らを擁する広陵高(広島)に敗れ、春夏連覇の偉業を惜しくも逃した。甲子園の土は持って帰らなかった。

「もっと上(のレベル)でやりたいと思っていたから。当時はカッコ悪いと思っちゃって」

 悔しい敗戦だったが、視線を先に向けた。そして、球児のときに描いた自分が今、ここにいる。

 夏場に入ってDeNAは先発陣の疲労や故障が目立ち、田中ら中継ぎ陣を必要とする場面は増えている。

「しんどいですよ。でも、ここで手を抜いたら意味がない」

 球団初のCS進出へ好位置に付ける中、勝利のために腕を振る。
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