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ソフトバンク 明石健志内野手・足は、ここぞの場面で使う

 



 クセ、状況、すべてを踏まえて次の塁を陥れにかかる。8月9日のオリックス戦(京セラドーム)。2点ビハインドの3回、先頭打者として四球を選び出塁した明石健志が、一死二塁から魅せた。打者・柳田へ1ボールからの2球目だった。西がセットポジションに入った瞬間にするすると駆け出し、あっという間に三盗に成功。「盗んでました」。捕手のブラインドになる右打者でもなかったが「柳田なんで相手もあまり走ることを考えてない」と、計算ずくだった。

 今季は開幕五番でスタメン出場しながら、無安打のまま楽天との開幕カード3連戦(Koboスタ宮城)を終え出場選手登録を抹消。春季キャンプ、オープン戦期間中に痛めた右肩の状態が思わしくなかった。故障個所は複雑で、リハビリは一進一退。よく言う「日にち薬」のように、時間だけが解決してくれるわけでもなかった。二軍戦にも出場できない状況から、7月になってようやく実戦復帰。猛追してきた2位・日本ハムとの敵地・札幌ドームでの3連戦のタイミングで、首脳陣は右足首故障明けの川島とともに一軍へ呼び寄せた。

 登録即の一番スタメン。1点を追う6回にバットで応えた。先頭で日本ハム・有原の直球をとらえ、右中間へ鋭いゴロの打球。滑りもしない代名詞の三塁打が今季初安打だった。

「5回ぐらいまでは体がフワフワしてましたよ」

 局面を打開する足。こうした選手が出ないまま、首位を走ってきたのが今季ソフトバンクの実情でもある。
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