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ロッテ 荻野貴司外野手・数字に表れない「足」の威力

 



 ロッテに欠かせないスピードスターだ。30歳・荻野貴司の俊足は衰えを知らない。2010年には新人で開幕スタメンを勝ち取り、46試合で25盗塁をマーク。何でもない内野ゴロを内野安打にするスピードはファンの度肝を抜き、荻野の走塁を集めたネット動画集が作られたほどだ。1年目は右ヒザの半月板損傷という大ケガでシーズンの大半を棒に振ったが、1年間フルに活躍したら圧倒的な盗塁数を記録しただろう。

 50メートル6秒0のタイムは変わっていないものの、若手時代と比べると「力が抜けるようになった」と話す。以前はリードしながら全身に力が入っていたため、「脚がプルプル動いてスムーズにスタートできなかった。反応が遅くなっていた」と振り返る。走塁技術は確実に向上している。

 また、「守っていても足がある走者がいるとプレッシャーがかかる」と言う。今季から導入されたコリジョンルールの影響もあり、二塁走者が単打で本塁を狙うケースも増えた。俊足の走者の場合は、外野手にも素早く正確な送球が求められ、それがミスにつながる。

「投手にもプレッシャーをかけられる。走られないように真っすぐが多くなったりする」

 数字に表れないところで「足」が生きている。

 8月2日の日本ハム戦(QVCマリン)では今季10個目となる盗塁を決め、入団から7年連続の2ケタ盗塁を達成した。まだまだ走り続ける。
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