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オリックス 小田裕也外野手・レジェンドが称賛する“足”を武器に

 



 もどかしい。小田裕也のここまでの今季を振り返ると、そんな印象を受ける。東洋大、日本生命を経て2015年、ドラフト8位で入団。昨季はルーキーながらシーズン後半に一軍に上がると、31試合で2本塁打、6盗塁、打率.326と高い数字を残した。しかし、レギュラー候補として期待された今季は、主に代走での出場で、打率も1割に満たない。俊足が自慢ながら、8月8日現在で盗塁数もわずか1。悔しさが先行する。

 世界の盗塁王からのお墨付きで今季は始まった。今春のキャンプに臨時コーチとして訪れた福本豊氏が、足で期待する選手として真っ先に挙げたのが駿太と、50メートル5秒9の小田だった。期間中は毎日のように走塁の指導を受け「どんどん行く、そういう気持ちが出てきた。塁に出たら2つ、3つ狙うようになってきました」と、レジェンドからも褒められていた。相手投手よりも自分のリズムで盗塁することなど、目からうろこの話も多かったようで、貴重な時間になったようだった。

 記録より記憶に残る活躍が目立つ。今季挙げた2打点は、どちらもサヨナラ勝利を決めたときのもの。4月13日の日本ハム戦(京セラドーム)では今季初安打で試合を決め、7月28日のロッテ戦(ほっと神戸)では中犠飛を放った。

「まだチーム全員あきらめていない」と話す2年目には“福本仕込み”の盗塁を量産し、アマ時代から定位置のリードオフマンの座をつかみ取ってもらいたい。
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