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オリックス 川端崇義外野手・毎試合、表情を変えながら

 



 チームで一番「渋い」という言葉が似合うかもしれない。キリっと引き締まった表情で、黙々と練習に打ち込む姿。今年31歳を迎えた5年目ながら、その風貌には職人の雰囲気すら漂う。最大の持ち味であるここぞの場面での一打で、勝利の立役者になる。

 福良監督も称賛する修正能力の持ち主だ。7月28日のロッテ戦(ほっと神戸)。先発した川端は相手先発の唐川を前に、2打席連続空振り三振とまったくタイミングが合わなかった。その3日後の西武戦(京セラドーム)でリベンジのチャンスが訪れた。8回に代打で登場すると、いきなり勝ち越しにつながる二塁打。9回には初球を中前にはじき返し、プロ入り後初めてとなるサヨナラ打を放った。

 これには指揮官も「よく打ってくれた。唐川にはまったく合わなかったけど、修正できるのが川端の強さ」と称えた。川端も「ロッテ戦では見逃しでもストライクを取られてタイミングが取れていなかった。でも気持ちと体はしっかり準備していた」と堂々と話した。派手さはないが代打でもきっちり結果を残し、オリックスに川端あり、と刻んだ試合だった。

 堅実なプレーが評価されて、8月に入ってからは先発出場も増えてきた。安達と一、二番コンビを組んだり、下位打線で走者をかえす役割を担ったりと、試合によって表情を変える。今季は初昇格した5月に左手親指を骨折。離脱した約2カ月を取り戻すべく、残りのシーズンも渋い活躍を見せる。
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