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ヤクルト 三輪正義内野手・4役をこなすムードメーカー

 



 三輪正義は代打、代走、守備固め、そして、チームの盛り上げ役という“一人4役”をこなす。登録は内野手ながら、外野の守備をそつなくこなし、俊足で塁を駆けめぐる。身長168センチと小柄だが、打撃にも意外性を秘める。攻守走でチームに欠かせない存在で、首脳陣にとっても使い勝手のいい選手と言えるだろう。

 今季、一番の輝きを放ったのは、6月26日の中日戦(神宮)。同点の延長11回一死満塁で代打で出場し、中日の守護神・田島から中前へサヨナラ安打を放った。だが、本来なら試合を決めたヒーローの下にできる歓喜の輪が、生還した三塁走者・川端の下に。チームきってのいじられキャラは、自分を指さして「(打ったのは)俺!俺!」とアピールするも、最後は自ら歓喜の輪に飛び込んだ。目の前で起きた“三輪劇場”に、球場の燕党は大歓声を送った。

 さらに試合後のクラブハウスでも、衣笠球団社長ら球団幹部による手荒いシャワーの祝福を受けた。ムードメーカーは「あれ、おかしいな。(打ったのは)俺なんだけどな〜」とどこかうれしそうに首をかしげた。

 8月7日の阪神戦(神宮)では、同点の延長10回無死二塁で三塁線に絶妙なセーフティーバントを決め、サヨナラを演出。日頃から試合前に熱心にバント練習に取り組む成果を見せた。先発出場の機会は少ないが、常に準備を怠らない。背番号60がグラウンド内外でリーグ連覇を目指すチームの隙間を埋める。
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