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中日 若松駿太投手・もう一度必死の形相を

 



 高卒4年目ではあるが、実質的な2年目のジンクスに力なくのみ込まれたのか。昨季、プロ初勝利を含む10勝(4敗)を挙げた若松駿太が苦しんでいる。指揮官の逆鱗(げきりん)に触れたのは8月2日の巨人戦(ナゴヤドーム)。意志の感じられない1球と受け取られた。

 両チーム無得点で迎えた4回。先頭の坂本に対し、初球に投じた127キロの直球が内角低めに外れる。

「何も伝わってこなかった」

 元捕手の目にはそう映り、予感は不幸にも的中した。一発のある坂本には慎重に入るべきなのは分かっていた。まずは外角の球で様子見をしてもいい場面。だが、桂のサインに若松は首を振り、自ら選んだ内角の直球だった。

「自分が普通に投げていれば、抑えられるという感覚なんじゃないかな。まだ何年もやっているわけじゃない」と前監督は厳しい。2ケタ勝利を挙げたといっても、1年だけ。勝ちに飢え、必死の形相で腕を振る立場。それがこの1球には感じられなかった。

 結局、坂本を歩かせた無死一塁から阿部に左中間を深々と破られ、あっさりと先制点を献上。8安打4失点で、今季最短タイの4イニングで降板。8敗目(7勝)とともに、二軍降格が告げられた。

 今季2戦2勝と得意だった巨人にやられ、本拠地でも気が付けば3連敗。「立場が分かっていない」と友利投手コーチ。炎天下のナゴヤ球場で汗を流し、出直しのチャンスをうかがっている。
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