プロ4年目でキャリア最高成績のシーズンとなっている。
金子侑司の念願のレギュラー定着が現実的になってきた中、同時に見えてきたのが、盗塁王の初タイトルだ。
9月1日現在、44盗塁はトップを走る糸井(
オリックス)の48個に次ぐ2位。ライバルは球界屈指の野手だけに、「4」差は決して小さいものではないが可能性は十分ある。自己最多の22盗塁を超えた球宴明け当初は、「今はまだタイトルを考える余裕がないんです」と試合に出続けることに主眼を置いていたが、その後も先発起用が続き、自分の足への期待度が高まっていることを実感すると、「ずっと狙う気持ちはなかったのですが、正直、『ここまできたら』という気持ちも芽生えています」と言う。
佐藤外野守備・走塁コーチも「今後、同じ状況が巡ってくる保証はどこにもないので、獲れるときに獲りにいくべき」と後押しする。当然、そこまで推すからには同コーチにもそれ相応の理由がある。キャンプ時から「盗塁王争いをさせてやる」とあおり、ともにフォーム改善に着手。さらに球宴明けからは今まで以上に相手投手の研究・分析の必要性について説くと、その一つひとつを背番号2は貪欲に吸収し、血肉化していった。
実際、7月以降に盗塁数は激増。成功率も大幅にアップしている。
「盗塁できるのは、みんなの協力があるから」
チームのためにも、レギュラー確保、50盗塁、そして盗塁王という大きな挑戦に挑み、残りのシーズン全力を尽くす。