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ロッテ 井口資仁内野手・“目標”のためにバットを振り続ける

 



 苦しいときにチームを助けてくれる。井口資仁はまさにそんな存在だ。昨季までと比べてスタメンに名を連ねる機会は減ったが、勝負強さは衰えを感じさせない。

 5月5日の楽天戦(Koboスタ宮城)。8対8の9回一死満塁で代打に立つと、松井裕の初球、147キロをとらえた。左前への2点適時打で、「代打のときは見ていくんじゃなく、どんどん行こうと思っている」とうなずいた。ベンチスタートの試合ではここぞの場面で呼ばれる。展開によっては何度も準備を繰り返すことになる。そのたびに気持ちを高める難しさがあっても、そこはベテラン。「裏でずっと合わせてるから。今日の仕事はあそこしかない」と、さらりと口にした。「五番・一塁」で先発出場した7月19日の西武戦(西武プリンス)では0対2の6回一死満塁で、大石の外角速球を狙い澄まして左翼席へ。球宴を挟む連敗を6で止める一発に、「凡退だとまたチームがガタッとくるところだった」と胸を張った。3年ぶり通算13本目のグランドスラムは奇しくも12本目と同じ大石からの1本となった。

 41歳。同年代以上の選手は次々とユニフォームを脱ぎ、現役最年長野手となった。9月1日のオリックス戦(QVCマリン)では3ランを放ちNPB通算1000打点の節目をクリア。そんな背番号6が見据えるのは頂点だけだ。「残り少ない野球人生、何回でも優勝したい」と意欲たっぷりに口にする。その目標のため、勝利に導く一打のためにバットを振り続ける。
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