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西武 上本達之捕手・一振りと姿勢で貢献

 



 わずか出場6試合、打率.154に終わった失意の昨季から一転、今季は開幕から一軍に居続け、“代打の切り札”の役割を死守した上本達之。その存在感は開幕のオリックス戦(西武プリンス)から抜群だった。3点差を追う7回一死に代打として起用されると右前打で出塁し、サヨナラ勝利の流れを作った。その後も常に「今日ダメなら終わり」とプレッシャーをかけ、与えられた打席で答えを出し続けてきた。7月を終えた時点で打率.301、試合展開上、8、9月の出番はそう多くないが9月16日現在も.282を誇る。7月29日のオリックス戦(京セラドーム)では3年ぶりの本塁打も飛び出した。

 この活躍ぶりに入団時から二軍打撃コーチとして直接指導してきた田邊監督は「軸がブレずに打ちにいけているから左肩が下がらず、バットのヘッドも抜ける。理にかなった打撃ができている」とうなずく。本人も、「今まで空振りしていた直球も、今は全然速く見えない」と成長を感じている。

 代打という立場はベンチにいる時間も長いため、そこでの立ち居振る舞いにも気を配る。「(準備の)素振りをするのは、みんなが守備に行く間。守備が始まったらベンチに戻って、みんなが帰ってくるのを迎えるようにしています。そういう姿を、これからチームを背負って立つ若い子たちには見ていてほしい」。“代打の切り札”として一振りで、そして、そのために費やす真摯な姿勢でチームに貢献していく。
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