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中日 藤井淳志外野手・準備と思い切りで好結果

 



『代打の切り札』とはいえないが、起用回数は多い。ときにはチャンスメーカー、ときにはポイントゲッター。あらゆる状況で起用されているのが11年目の藤井淳志だ。

「本当は不本意ですよ。そりゃ最初から出たいですから」

 順調ならレギュラーをつかんでいるはずだった。昨年は国内FA権を取得すると悩んだ末に行使せずに残留。左翼の定位置の最有力候補だったが、開幕スタメンも極度の打撃不振によってナニータに奪われると、5月以降はベンチ暮らし。それでも脇役としての仕事は果たしていた。

「代打なんて簡単に打てないですよ。どうせ打てないなら後悔しないように」

 これが藤井がたどり着いた代打の心得だ。9月15日現在で46度、代打で起用され、成績は38打数11安打7打点の打率.289。これはシーズン打率.206をはるかに上回っている。「まだまだですね」と言うが、代打向きであることは間違いない。

 チームが6連勝を飾った9月4日の巨人戦(東京ドーム)でも存在感を見せた。3点を追う8回一死二、三塁から代打で中犠飛。その後の逆転を呼び込んだが、森監督代行は「あの犠牲フライがあったから後がラクになった」と評価した。

「まず打席に入る前に最低限やるべきことを考える。あのときは内野も後ろだったからゴロでも外野フライでも1点入る。やや高めの球を待っていました」

 準備と思い切りが不可欠のようだ。
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