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阪神 藤川球児投手・チームの勝利だけを見据えて

 



 藤川球児の復帰1年目シーズンが幕を閉じた。9月20日に一軍登録抹消となった。43試合登板、5勝6敗3セーブ。先発から、中継ぎ、抑えまで、すべてのポジションを経験した2016年だった。

「チームのために投げる」というのが口グセの右腕にとって、フル回転は望むところだった。開幕から先発ローテーション入りしたが、5戦で1勝2敗、防御率6.12と結果が出なかった。

 その後、一軍登録抹消の時期もあったが、5月中旬からリリーフに回った。5月18日の中日戦(甲子園)で初めて9回に登板、12年9月15日の巨人戦(甲子園)以来、4年ぶりのセーブを記録する。

 12年シーズンを最後にメジャー移籍。カブス、レンジャーズでは成功を収めることができず。帰国後は独立リーグ・高知を経ての阪神入り。4年ぶりカムバックに期待はふくらんだ。

 全盛期の「火の玉ストレート」は消えたが、巧みな投球術は健在だった。200セーブ以上を挙げた高津、佐々木らの投手が日本復帰後、先発で勝ち星を得たのは初めてのケースだ。

「自分調子が良くても、悪くても全力でいく。チームの勝ちのために投げる」

 シーズン終盤はセットアッパーを務めた。どのポジションも固定に至らなかったのは課題として残った。金村投手コーチが「全幅の信頼を置いている」というように来季こそ結果を求められるシーズンになる。
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