週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

西武 呉念庭内野手・“遊撃手”定着へ、来季は勝負の年

 



 いまだ完全に固まっていない遊撃手のレギュラー最有力候補として、終盤戦に頭角を現してきたのが呉念庭だ。ルーキーながら、8月9日に自身3度目の一軍登録されると、同日から最終戦まで先発出場。「使い続けるから」と、周囲に断言して起用を続けた田邊前監督は、その魅力を「攻守走とも、大きなウイークがなく、それなりのレベルにあるので、使いやすい」と話していた。

 43試合の一軍経験を積んだが、すべてが順調だったわけではない。9月7日にプロ初の猛打賞を記録した一方、最終的には打率は.194。また、8月27日の日本ハム戦(西武プリンス)では、5回無死一、二塁の場面での一ゴロで、一塁手からの送球を捕球ミス。直後に本塁打を許すという敗戦に直結する苦い経験や、走塁ミスなど多くの課題が見つかったのも事実だ。そうした経験を来季に生かせるか。

 最大のライバルとしては永江、外崎の名が挙がる。守備面では絶大な評価を得ている永江。ファームで7試合7本塁打を放ち、9月25日の一軍昇格後から2試合連続本塁打を放つなど、最終局面で結果を残した外崎。この2人を上回るためには何が必要か。打順は八、九番が見込まれるだけに、小技、出塁率を含め、つなぎでの貢献、今季、苦戦した右投手への対応がカギを握りそうだ。呉を遊撃手として固定できれば、この先10年近く計算できる。チームとしても、呉自身にとっても、来季は重要な勝負の年となる。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング