来季に伸びシロを感じさせるのは
青柳晃洋だろう。同じ若手の高山、北條らとともに芽を出した男。2年目に向けて先発ローテーションの座を確立したいところだ。
「実は緊張しいですが、ピンチの場面になっても、なんとかなると思って開き直れる性格なんです」
今季13試合(4勝5敗、防御率3.29)のマウンドは大汗をかき続ける表情が印象的だが、意外に図太い性格はプロ向きといえるだろう。
1年前のドラフト会議で、金本監督が「打ちにくさが感じられた」と直に指名を要請した逸材。帝京大3年時に右ヒジ手術を受けたが、1年後に復活してスカウトの目に留まるようになった。
伝説のサブマリン・
小林繁のようなタイプを目指す。6月1日の
楽天戦(Koboスタ宮城)で、初登板初勝利をマークすると一軍に定着。
阪神の新人右腕で、デビュー戦での先発勝利は1959年
村山実以来の快挙だった。
ドラフト5位で勝ち星を挙げるなど掘り出し物を証明。手元で落ちるツーシーム、スライダーを武器にした青柳だが、今後の課題も明確になった。今シーズン最終登板の9月27日の
ヤクルト戦(甲子園)でバント処理のミスが出るなど、自らの手で5勝目を逃した。
青柳は「走者を警戒するとフォームがばらつくし、投げること以外でも練習しないといけない」
もともと荒れ球が特徴のサイドスローだが、来シーズンに向けて細かいプレーでも確実性が求められる。