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DeNA 須田幸太投手・CSで不屈のカムバック登板

 



 究極の『何でも屋』を目指します──。昨年12月の契約更改で須田幸太が胸を張った。中継ぎを持ち場にしながら、先発ローテの谷間で先発、緊急時には抑えとフル回転する決意を表明。その言葉は力強く、実に頼もしかった。オフはほぼ無休で自主トレ。プロ6年目のシーズンに備えた。

 2010年のドラフト1位。3年目の13年に先発で6勝を挙げたが、なかなか芽を出せずにいた。昨季は後半戦からリリーフへ回り、29試合でプロ初セーブも記録。「疲れを残さないような調整が大事」と飛躍のヒントをつかみ、三上、山崎康へつなぐセットアッパーとして機能した。チーム最多登板の62試合で23ホールド。残した数字以上の貢献度があった。

 5月28日の広島戦(横浜)では、1点リードの7回二死満塁で登板した。菊池涼介に対し、7球すべて直球でフルカウント。最後は外角いっぱいにスライダーを制球した。見逃し三振。最大11あった借金を完済し、チームを6連勝に導く原動力になった。8、9月の勝負所でそれぞれ防御率1.74、1.13。ラミレス監督から「代わりのいない選手だ」と厚い信頼が寄せられた。9月24日の巨人戦(横浜)では投球中に左太もも裏の肉離れのピンチ。10月14日のCSファイナルステージ・広島戦(マツダ広島)で復帰し、8回、二死満塁で新井を右邪飛に仕留めた。

 打者の手元で浮き上がる直球は磨かれ、心技体で充実一途。17年も頼りにしてよさそうだ。
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