週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

オリックス 若月健矢捕手・開幕マスクを目指して|どうなる!?契約更改

 



「初」尽くしのシーズンだった。昨季は出場5試合でわずか1安打だった3年目が、今季は85試合でマスクをかぶった。伊藤、山崎勝を抑えて捕手ではチーム一の出場数。初長打、初打点など、さまざまな経験を積んだ若武者は「将来の正捕手」から「正捕手候補の筆頭」に躍り出た。年俸の大幅アップも見込まれるが、それでも「今年より試合に出られるようにやるだけ」と来季を見据える。

 試行錯誤を繰り返した。高橋前打撃コーチの指摘で、6月ころからバスター打法に挑戦した。バットが出る位置を一定にするためで、変えることによって打撃が向上。6月は月間10安打で打率.323、7月は20安打で.328と安打を量産した。その後、数字が落ち込み再びフォームを微調整したが、1年を通して波があり、多くのカベにぶつかることを身をもって体験できただろう。フェニックス・リーグでは自身の誕生日、10月4日にプロ“1号”となる満塁アーチ。「つかみかけている」と徐々に手応えも感じてきている。

 今年で21歳、しかし、そう思えないほど落ち着いていて、大人びている。年齢に似合わず「意思のあるリードをする」と首脳陣も話すほど。「来季は開幕マスクをかぶりたい」、チャンスで「任せてください!」など、さらりと言ってしまう人柄もあって周囲の期待も高まるばかりだ。来季は再び伊藤との正捕手争いが待ち受ける。今季の“悔しさ”も“うれしさ”も決して無駄にはしない。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング