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ソフトバンク 五十嵐亮太投手・自ら厳しい環境に飛び込んでいく

 



 晴れがましいはずの節目の記録は、苦い思いに彩られた。首位を行くチームが日本ハムの猛追を受けていた8月28日、本拠地でのロッテ戦。五十嵐亮太の出番は同点に追いつかれた直後の8回、一死一、三塁での火消しだった。もっとも、代打・井口に決勝の左犠飛を許すと、捕手の田村にも2点三塁打を浴びてしまう。プロ野球史上15人目、先発登板なしでは初となる通算700試合登板。その試合でチームが敗戦し「自分の投球ができず、反省が多い。節目だから、もっと格好良く終わりたかった」と悔やむしかなかった。

 メジャー・リーグから日本球界復帰の場をソフトバンクに求め、今年が4年目だった。37歳のシーズンは開幕間もない4月末に左太もも裏の肉離れで離脱。一軍復帰まで丸々2カ月を要した。もっとも、春季キャンプから続いていたフォームの試行錯誤はなおも続き、9月末の日本ハムとの直接対決2連戦で連敗した正念場にチームを離れ、再調整することに。登板33試合。ソフトバンク移籍から3年続けてきた50試合登板も途絶えた。

 球団に掛け合い、今オフはメジャー・リーグ時代の2011年オフ以来となる中南米ウインターリーグへの参加を決めた。

「ここ数年、すごく恵まれた球団にいて、幸せボケしてた。原点というか、厳しい環境に身を置くことも必要」

 10月末、渡ったメキシコでの起用法は予想外の先発。リリーフ一本で生きてきた男は「新しい刺激」を大いに感じ、来季へ向かっている。
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