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DeNA 石川雄洋内野手・もう一度アピールを

 



 苦しいシーズンだった。石川雄洋の表情は晴れなかった。

「成績を残せてない中で試合に出させてもらった。正直、本当につらかったですね……」

 11月21日。横浜市内の球団事務所で契約更改を終え、正直な感想を口にした。8月13日の広島戦[横浜]で通算1000試合出場を達成。プロ12年目で快挙を成し遂げ「いろいろな方々の支えがあって、ここまで来られたと思います」と感謝した。2009年からレギュラーを勝ち取り、遊撃手、ここ数年は正二塁手としてチームを支えてきた。12年にDeNAが誕生。初代主将として3シーズンを過ごした。昨年は通算100盗塁も達成。この時期に悩まされた右ヒジ痛が、順調なキャリアに影を落とした。

 オフに遊離軟骨の除去手術を受け、キャンプは二軍スタートだった。新監督に就任したラミレス監督は「一番・二塁」で起用することを決めていたが、一軍初昇格は4月8日のヤクルト戦[横浜]。与えられた役割は「二番・二塁」だった。打率は2割前後を往復。指定席のトップバッターには桑原が定着した。二塁も宮崎が台頭。シーズン中にエリアンも加入した。95試合で打率.209、2本塁打、14打点。球団はヤクルトから田中浩も獲得した。

「もう1度、アピールしないと。1年間、フルで出るために……」

 小技が確実にでき、広島とのCS最終ステージで見せたような全力プレーもチームに不可欠。生え抜きの最古参が、静かに熱く燃えている。
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