週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

日本ハム 中島卓也内野手・高い技術で犠打のパ・タイ記録を樹立

 



 あと一歩で新記録は逃したが、金字塔を打ち立てた。中島卓也が驚異の数字を積み上げた。重ねに重ねた犠打数は「62」に到達。ソフトバンク今宮健太に並ぶパ・リーグタイ記録を樹立した。4年ぶりのリーグ優勝、10年ぶり日本一へと導くスパイスになったのが精度の高い小技。

「こういうプレーをしっかりやらないと僕はレギュラーになれない」

 強い自覚がすべての源だった。

 プロ8年目で職人の域に到達した。今季は主に二番、九番に座って個性派ぞろいの打線を機能させた。ポイントゲッターの中田とレアード、大谷ら上位打線に得点圏の絶好機をお膳立てするのが役目。ビッグイニングを呼び込む起点となってきた。「できることをやっているだけ」とサラリと流すが、最高の潤滑油として好循環を生んだ。師匠でもある2007年の田中賢の58犠打を抜く球団新記録も達成。代名詞のカット打法だけではなく、もう1つの特長を発揮して躍進したシーズンだった。

 さらなる野望も抱き始めた。プロ入り652試合、2033打席でいまだ本塁打はゼロ。11月の帯広市内でのトークショーで高らかに宣言した。「来年はホームランを打ちます」。今シーズンは犠打数と同様、117三振も自己最多。「粘ろうとすると(スイングが)小さくなる。三振も多くなってしなった」とさらなる改革を期す。小技にレアな大技をさらにプラスして、背番号9が新境地を目指す。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング