開幕当初、首脳陣は昨季のクローザーの高橋朋、新助っ人のC.C.リーと
増田達至の3人で、状態や相手との相性などに応じて終盤3イニングを回していく方針だった。だが、C.C.リーが日本野球への対応につまずき、4月末には高橋朋が左ヒジの故障で長期離脱を余儀なくされ、必然的に増田が守護神の座を担うことになった。
昨季は主にセットアッパーとしてリーグトップの72試合に登板し、40HPを挙げてタイトル獲得。タイトルホルダーとして迎える初めてのシーズンだっただけに、「今年が大事」だと位置付けていた。さらに、「(活躍したのが)去年だけだったと、絶対に言われたくない」との思いが非常に強く、ポジション的なこだわりもないため、「どこを任されようが、そこで投げるだけ」と考えていた。
クローザー抜擢も難なく対応してみせた結果、チーム最多の28セーブをマーク。昨季に引き続き、好成績を残せたのは、「シーズン通してあまり大きな波がなかった」ことが大きいだろう。昨季の反省として、「大量失点をすることがあったので改善したい」と話していたが複数失点を喫したのは2試合だけ。今季「こだわりたい」と話していた防御率も1.66と安定。「新守護神」の名にふさわしい、キャリア最高の数字となった。
来季は、プロ5年目のシーズンを迎え、さらなる充実度、安定感が求められる。
「ケガをせず一軍で投げ続けたい」
辻新監督の下、中継ぎの柱としてフル稼働を誓う。