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日本ハム 田中賢介内野手・理想の打撃を追い求めて

 



 歓喜の裏で葛藤を続けていた。ベテラン・田中賢介が来季へ向け、失地回復を期すオフを過ごしている。12月4日に優勝旅行先のハワイへ家族とともに乗り込んだ。チームは約1週間後に当地入りするが、早めに常夏の楽園へと向かった。球団トレーナーの1人に同行してもらい、コンドミニアムをレンタル。周囲のサポートを受けて早くも自主トレを敢行している。「暖かいところで常に体を作っておこうと思って」と先を見据えての試みだ。

 自身にとって2度目となる10年ぶり日本一、5度目のリーグ制覇を果たしたのが今季。143試合にフル出場したが、もがきながら1年を終えた。

「7月後半くらいに打撃を変え始めたら、それが尾を引いて。最後まで修正できなかった」

 シーズン終盤はスランプに陥り、最終的に打率.272でフィニッシュ。2006年にレギュラーに定着してから日本ハム在籍時に限ればワーストだった07年の.255に続く低打率は不本意だった。

 秋季キャンプ参加は免除されたが、すでに明確な狙いを持って動き始めている。自らに「スイング軌道の修正。ヒッティングポイントが長くなるような軌道ですよね」と課題を突きつけている。キャリアハイは10年の.335で、このときが理想の打撃スタイル。

「当時とは体も違う」とギャップもあるが、動画などで再確認しながら復権へ向けて精力的に課題と向き合っている。北のヒットメーカーが再躍動を目指し、静かに牙を研ぐ。
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