金本監督が「二匹目のどじょう」になることを狙っているのは横山雄哉だ。指揮官は「2016年の岩貞のように出てきてくれたら……」と2017年への青写真を描いている。

　横山への期待の表れだが、本人にとって発奮材料は伴侶を得たことだ。9歳年上の一般女性と結婚。15年に知人の紹介から続いていた交際が成就したものだった。

「これでより頑張らなくてはという気持ちが強くなりました。17年はずっと先発として一軍にいないといけないと思っています」

　2年目の16年は5月4日の中日戦[ナゴヤドーム]でプロ初勝利を収めた。しかし、キレのある直球の評価が高いが、どうしても好調を持続することができない。

　5月下旬には左肩を痛め、ここから一軍マウンドに戻ってくることはなかった。16年は結局3試合登板に終わって、チームに貢献することができなかった。

　15年ドラフト1位左腕にとって期待に応えることのできなかった苦しみも大きい。そんな苦しい時期に励ましてくれたのが、当時付き合っていた彼女の存在だった。

　1年目も、2年目もケガに泣かされた。プロの世界で生き抜くには、故障の多い体質を克服していく必要がある。横山は「そのために体質改善していきたい」と言った。

「波が激しいところを修正しないといけない」と金本監督。3年目の本気をアピールする横山は「家族のためにも……」と17年こそ勝負に出る。