プロ野球新記録の裏側には天使の存在があったのかもしれない。2016年、開幕からの連続無失点記録26を更新して31まで伸ばした
田島慎二。記録をつくっている最中、スカウトのある言葉に励まされたという。
「子どもがお腹にいる間は打たれないから。幸運を運んでくるんだよ」
開幕から好調をキープしていた際、担当の中原スカウトから掛けられた言葉だ。「球界に伝わる都市伝説みたいなもんだ」とも付け加えられたという。
言い伝えどおり、田島の快進撃は止まらなかった。第2子の長女が生まれたのは4月下旬。そのまま「0」行進を続けて、初失点は交流戦に入ってから。6月7日の
オリックス戦[京セラドーム]まで、無失点投球を続けた。
13年11月の長男に次ぐ第2子の誕生となった。
5年目の16年はセットアッパーと抑えでフル回転した。年俸も4000万円増の8200万円でサイン(金額は推定)。59試合で3勝4敗、18ホールド、17セーブ、防御率2.44。「17年はチームとしてもうまくいって、セットアッパーか抑えに固定されて、タイトルを争う選手になりたい」と語る。
「子どもが産まれて、新しい家族ができたという責任感もあったと思います。どこからも逃げられませんから」
自宅に帰ると、子どもの寝顔に癒やされるマイホーム・パパが17年も勝利の方程式を担い、Aクラス入りに貢献する。