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日本ハム 高梨裕稔投手・培ってきた雑草魂でさらなる高みへ

 



 ようやく道が開けた野球人生のターニングポイントを迎える。高梨裕稔が真価が問われる2017年シーズンに向けて充実のオフを過ごしている。プロ3年目だった16年は初の開幕一軍のキップをつかみ、中継ぎからスタート。6月からは本来の適性を持つ先発へと配置転換され、大ブレークした。プロ初勝利を含む10勝をマーク。逆転優勝へのラストスパートへの起爆剤になった。「支えてくださった方に感謝したい」と感慨に浸る1年だった。

 一軍経験は実質1年目だが、破竹の勢いで突き進んだ。140キロ台後半の独特の軌道を描く力のある速球を主体に鋭いフォークで打者を圧倒する投球スタイル。千葉・土気高から山梨学院大と決して野球エリートとは言えない過程を経て地道に育んだ才能が開花した。新人王も獲得し、パ・リーグでは高卒入団選手以外で3年目以降は初受賞という遅咲きを象徴する「勲章」も手にした。

 17年もすでに開幕先発ローテーション候補の1人として期待が大きい。「何年も結果を残して一流と言われる世界。しっかりやらないといけない」と、手綱を締め直した。17年はWBCイヤーで出場選手は調整が難しく、開幕投手に指名濃厚の大谷翔平の代役候補にも名前が挙がっている。それでも「開幕ローテーションもまだ確約されているわけじゃない」と緩みを見せず、17年は“2年目のジンクス“とも向き合う。存在価値を確立する挑戦は、これからが本番だ。
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