FA移籍で岸が抜け、今季は菊池がエースの立場を背負いそうだ。その菊池とともに、開幕投手候補に名前が挙がるのが、2年目の
多和田真三郎である。1月2日に行われたトークショーでは、同時に登壇していた辻監督から「どちらかでしょう」と直接、明言を受けた。もちろん本人も「目指したい」と、意欲十分だ。
候補者として名前が挙がるのには、それだけの理由がある。ルーキー年の昨季は、大学時代に負った右肩の故障の兼ね合いで、慎重に慎重を重ねての調整となった。順調に段階を踏み、5月14日の
日本ハム戦[
西武プリンス]で一軍デビュー。初勝利は6月19日の
ヤクルト戦[神宮]と約1カ月、6試合と時間はかかったが、それでも球宴後からの後半戦では先発9試合で6勝1敗と好投を続けた。最終的に7勝は、菊池(12勝)、岸(9勝)に次ぎ、チーム3位タイの成績。さらに、8月11日の日本ハム戦[札幌ドーム]では初完封、9月19日の
楽天戦[koboスタ宮城]では8回2失点も無四死球にまとめるなど、内容も充実度を増していることから、今季開幕マウンドに立つ資格は持っている。
2017年は「岸さんが抜けるので、その穴をしっかり埋めて、チームに貢献したい」を目標に掲げる。前述した昨季の成績が証明しているとおり、現有戦力の中では、昨季チーム2番目の勝ち星。”2年目のジンクス”に打ち勝てるか否かが、チームの成績を大きく左右すると言っても過言ではない。