走塁のスペシャリスト・
鈴木尚広が現役を引退した一方で、スピードスターの片鱗を見せた新人がいた。2016年ドラフト2位の
重信慎之介だ。
春季キャンプで猛アピールし、開幕一軍を勝ち取ったが、わずか1試合の出場で二軍降格。再昇格後も定着はできず、25試合、打率.190で1年目を終えた。実直な性格の24歳は「一軍定着を目標にして、できなかった。プロの厳しさ、1年間を通して結果を出し続ける難しさを感じました」と悔しさを口にした。
だが、50メートル5秒7の脚力は衝撃を与えた。15安打ながら3三塁打を放ち、少ない出場機会で5盗塁も決めている。イースタン・リーグでは91試合で36盗塁。2年目以降へ手応えも感じ取った。
期待の若武者を待ち受けるのは、昨季以上に熾烈な外野手争いだ。チームはこのオフ、
日本ハムからFA宣言した陽を獲得。長年レギュラーを張る長野、昨季チーム2位の24本塁打を放った
ギャレット、重信と同じ俊足の左打者・
橋本到と立岡もいる。一軍枠を勝ち取ることすら容易ではない。
宮崎秋季キャンプと台湾ウインター・リーグでは、二塁の守備にも挑戦した。「試合に出られれば(守備位置は)どこでもいい。塁に出て走るというのが、自分に求められている役割。激しいところでやらなければレベルアップできません」と、出場機会の増加が最大の目標。自慢のスピードで2年目の飛躍を狙う。