気づけばチーム最年長になっていた。プロ20年目の今年、5月で38歳。もっとも
五十嵐亮太に老け込む様子はないどころか、野球への興味は増すばかりだ。
「もう少し投げたかったし、心の若さを維持できると思った」
日本復帰4年目で最少の33試合登板だった昨季を終えると、志願して昨年11月からメキシコのウインター・リーグ(WL)に参加。5試合の先発を含む7試合に登板して3勝2敗、防御率は1.93を記録した。
昨季は防御率も3.62と不本意な数字に終わり「満足できる仕事ができなかった」と飢えていた。WLでは所属チームの取り違えで、先発として起用された。プロ19年で一度もなかった先発。それもプラスにとらえるのが五十嵐流だ。
「中継ぎと先発はまったく違う。新しい発見がすごく多かった」
肩の持久力が増し、試行錯誤していたフォーム固めにもつながった。
「1イニングだったら『あ〜今日は良くなかった、次どうしよう』って、また次の試合になる。先発でやっていたほうが手っ取り早い」
常時セットポジションだったが、WLで「自分のタイミングが取りやすい」と日本復帰後初のノーワインドアップへも移行している。軸足はセットアッパーに置きつつ、今季はロング救援や先発も視野に入れる。
「短いイニング以外もできるよ、っていう僕の可能性がある。仕事の幅が広がるなら悪いことじゃない。自分のできる仕事の幅を広げていけたらいい」
フレッシュなアラフォーが身を粉にする。