虎視眈々と初の大役を狙っている。3年目を迎えた有原航平は開幕投手を担える実績と力量を積み上げてきた。1年目は右ヒジ痛で出遅れながら8勝をマークし新人王に輝いた。2年目の昨季は開幕直後に腰椎捻挫のアクシデントこそあったが11勝。チームの10年ぶり日本一に貢献した。

　本人も意識している。年始に二軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で自主トレを公開した際も「チャンスがあるなら投げたい」と意欲をはっきりと明言した。コンディションに不安もなく、快調に自主トレも進んでいる。1月17日はブルペン投球を開始。「悪くない。ここまでは順調です」と着々と大きな目標に向かって突き進んでいる。

　開幕投手争いはWBCに出場する大谷の動向に大きく左右される。決勝まで勝ち進めばチームに戻ってくるのは開幕1週間前。栗山監督は「そのときの状態を見ながら」と大谷に3年連続の大役を任せる可能性ももちろん消していない。春季キャンプからオープン戦にかけて、しっかりアピールを継続していくことが必要だ。

　機は熟している。2年目のジンクスも乗り越えて迎える2017年シーズン。「2ケタは絶対勝ちたい」と、10勝は最低ノルマに掲げる。オフ期間もキャッチボールの時間を増やし、手元の感覚は失わないように努めてきた。すべては2年連続日本一を達成するため。そして、初の開幕投手を見据えて。スケールアップした姿で有原が開幕のマウンドを目指していく。