不安がないことを誇示するようなブルペンだった。昨季、終盤に左ヒジ痛で離脱した
和田毅は3カ月ぶりのブルペンで25球を投じた。1月18日。
「毎年、この時期には入るんですが、今日は皆さん(報道陣)が集まっていただけるので」
多くの報道陣が集まる自主トレ公開日をあえて選んだ。
昨季は5年ぶりの日本球界復帰で、一歩引いた立場だった。だが、最多勝(15勝)と勝率第一位投手賞(.750)の投手2冠。
「今年に関しては(開幕投手は)目指したい。最初から最後まで全身全霊を込めて投げたい。僕より若い投手の壁になりたい」
左ヒジの不安払拭を公然と示したのは強い意思表示だ。
昨季を上回るためにある球種の復活を決めた。ツーシームだ。メジャー挑戦を機に学び、アメリカでは内野ゴロを打たせやすく、有効だった。昨季も序盤は使用したが、6月8日の
DeNA戦[ヤフオクドーム]から球のキレを重視するためプレートを踏む位置を三塁側から一塁側へ変更。その影響で変化が少なくなり封印した。
「基本的には左打者の内角ですね」
昨季、
日本ハム・大谷には14打数7安打の打率.500、2本塁打と踏み込まれ、痛打される場面が目立った。内角へ食い込む球が増えれば配球の幅が広がる。キャッチボールから握りを試し、開幕へ調整中だ。
2月には36歳になる。自身4度目の「大役」を任されればチームでは1956年の故・
柚木進(南海)の35歳を上回る最年長記録。左腕は本気で視界に入れている。