週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

DeNA 石田健大投手・3年目、自身初の大役へ

 



 周囲をグルリと見渡し、ラミレス監督が思い切って公表した。

「2017年の開幕投手は石田健大です」

 1月9日だった。横須賀・ベイスターズ球場で新人合同自主トレを視察し「エースとして役割を果たしてくれると思っている」と言葉を続けた。実はその3日前。都内で食事に誘い、熱い気持ちを伝えた。

「少し目を赤くして、感極まっている感じでしたね……」

 指揮官によって明かされた、指名直後の表情。石田本人は「結膜炎じゃないですか?」と笑って否定したが、意気に感じていることは間違いない。

「開幕に投げられるのは幸せ。エースは自分に勝ちをつけられる投球をしないと」

 目標は15勝。自身初の大役へ、足取りは力強くなった。

 15年にドラフト2位入団。守護神の山崎康晃とともに即戦力の期待に応えてきた。ルーキーイヤーは12試合で2勝6敗、防御率2.89。左肩痛の不安がなくなり、昨年は一気に才能が開花した。開幕からローテーションに定着。5月は4戦4勝、防御率0.33と圧倒し、初の月間MVPを受賞した。球宴も初出場。25試合で9勝4敗、防御率3.12と大崩れしなかった。先発の柱だった山口俊が抜けても、今永昇太と左腕の2枚看板は絶対的。昨年11月には侍ジャパンも初めて経験した。

 大舞台は3月31日のヤクルト戦[神宮]。昨季3試合で2勝、防御率1.00の相性も心強い。神奈川・厚木での自主トレも順調。プロ4年目の視界は果てしなく明るい。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング