過去2年間行われていた宮崎市内での歓迎パレードもなく、空港から宿舎へ直行し、そのまま全体ミーティングに臨んだ。
工藤公康監督の訓示はこうだった。
「厳しいキャンプになる。課題は(昨年)秋に渡してある。それをクリアできているか。その確認から始まる。向上心を持って明日からの練習に取り組んでほしい」
福岡市の筥崎宮で恒例の必勝祈願を行った、前日1月30日には「練習というより、生き残りが厳しくなる」と明言した。攝津、中田、大隣、それに松坂や、高谷、鶴岡。調整ペースを熟知したベテラン、実績組の多くをB組スタートとし、育成の右腕・吉本やショート・曽根を含めたフレッシュな顔ぶれをA組に抜てき。初のA組スタートは総勢13人にものぼる。事前に行われた監督・コーチ会議で提起された命題の一つが『チーム内競争の活性化』。分厚い選手層を、さらに分厚くするのが目的だ。
またコンディション維持をより一層重要視。今キャンプから選手個々のスマートフォンを使った電子カルテにより、日々の体重変動や脈拍などを把握。投手コーチにより、A組に入った一軍での実績のない若手選手には、B組選手同様の門限が設けられた。
「今日できることを明日に延ばさないように。勝たなきゃいけないときに勝つ、そんなチームを目指していこう」
夏場以降、猛追してきた
日本ハムとの直接対決に敗れ、覇権を手放した屈辱がバックボーンなのは間違いない。