厳しい戦いに挑む。
緒方孝市監督は17年シーズンを「厳しい、厳しい戦いになる」と語る。
2016年は25年ぶりのリーグ優勝を経験。しかし新しい1年を迎え、今度はマークされる立場へと変わる。さらに投手陣の柱だった
黒田博樹氏が引退。四番を務めたルナも退団した。リーグ連覇と33年ぶりの日本一へ向け「現有戦力の底上げは必要不可欠だ」と語気を強める。
競争を前面に出すキャンプとなる。最も重要な「ポスト黒田」を探すため、過去最多クラスの21人もの投手を一軍に参加させた。クローザーの中𥔎などポジションが固まっている選手を除いては、まずは先発調整から入る。16年はドジャースに移籍した
前田健太の穴を、頭角を現した野村がカバーした。今季も激しい競争で黒田の穴を埋めようと目論む。
ジョンソン、野村を除いて先発ローテは白紙からのスタート。「激しい争いから、結果と内容を見て決めたい」と語った。
野手陣ではWBCに参加するため菊池、鈴木、田中は途中でチームを離れる。
「逆に言えば実績のない選手にはチャンス」
2年目の西川など期待の成長株は多い。シーズン前の重要な1カ月で二遊間が不在なのは痛いが、それも競争激化の材料となればよし、ということだ。
例年以上に激しく、厳しい春季キャンプ。先を見据えた戦いを演じる。タクトの振り方も、わきまえている。