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中日 森繁和監督・Aクラスが最低ライン

 



 就任直後のミーティングで、森繁和監督は選手たちに呼び掛けた。

「この悔しさを常に心の片隅に置いて忘れないでくれ」

 それが、19年ぶりの最下位からはい上がる何よりの原動力となる。前任の谷繁監督の休養を受けて昨季途中から代行で指揮を執り、今季のカジ取りも任された。「全員10%アップ」。強竜復活へ、底上げが急務だ。

 参謀役を担った落合監督時代の黄金期は、守り勝つ野球。基本理念は変わらずとも、同時に変革も求める。

「点を取りにいく必要もある」

 打の中心のひとりとして獲得したのが、2015年にドジャースで11発の実績を持つゲレーロ。「ホームラン打者のようなきれいな打球を上げる」とほれ込んだ。昨季22発を放った2年目のビシエドとのコンビに期待する。

 さらに「打」だけでなく「走」でも仕掛ける。昨秋のキャンプから投手陣も含めて走塁練習を徹底。

「基本に忠実に、先のことを怖がらずに思い切った野球をしようと思う」

 チームのリーダー役には、昨季に右ヒジの手術から復帰した吉見を指名した。「まとめ役で一番良いのはベテラン」と、ともに強竜を築いてきた右腕に大役を託す。

 昨秋のドラフトでは1位の明大・柳、2位の日大・京田らを思惑どおりに指名。「自分としては100点」とさっそく手腕を発揮した。

 大風呂敷は広げず「5割をキープしてCSに出られればチャンスはある」

 鋭い眼光の先には、確かな青写真がある。
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