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広島 加藤拓也投手・選手、監督から上々の評価

 


 投げるたびに、評価を上げている。ドラフト1位の加藤拓也は実戦派だ。独特の投球フォームは賛否が分かれるが、結果は上々。評価もうなぎ登りだ。フリー打撃に登板した際には田中、菊池、鈴木の3人と対戦し、安打性の当たりを打たれることはなかった。侍ジャパンに選出されている3人を相手に圧巻する投球を披露。「今の時期に、あの球は打てません。いい球を投げていた」と田中に言わしめた。

 最速153キロを誇る直球は威力抜群。スライダーのキレも良く、チェンジアップ気味のフォークは打者のタイミングを狂わせる。加藤は「ちゃんとしたフォームで投げられたときはしっかりと制球できていた。打者の反応を見られたのが大きかった」と感想を口にした。

 投じた38球で首脳陣の評価を一気に上げた。ちょうど半分の19球がボールだったが、緒方監督は「いいところを見ていきたい。バタバタすることもなく、安心した。打ちにくそうだったし、力がある」と評価した。L字の防球ネットを使用したこと、初の実戦形式での緊張感を差し引いた。

 歩幅はほかの投手よりも大きい7足半。上から投げ下ろすようなフォームだ。上体が流れる悪癖もあったが、第1クールで4度入ったブルペンで修正してきた。先発か、中継ぎかの起用法も首脳陣は決めておらず、可能性は十分に広がっている。より実戦に近い段階に進んだときに、加藤の真価が試される。
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