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DeNA 田中浩康内野手・指揮官との濃密な1時間

 


 少しずつ、着実に、立ち位置を確保しつつある。新加入した田中浩康のことだ。昨年までヤクルトに12年間在籍。コーチ転身の打診を固辞し「まだ野球がしたかった」と現役として生きる道を選択した。34歳。「プロ野球選手としてプレーできるチャンスをいただいた。入団させてもらった立場だということは分かっています」と1日1日に勝負をかけている。キャンプは沖縄・宜野湾でスタート。まず一軍に残った。DeNAは昨季3位と躍進し、球団初のCSにも進出。現実的に優勝を狙える戦力で、期待される役割は明確だった。就任2年目のラミレス監督はかねてから犠打の重要性を強調。セ・リーグ屈指の名手が注目されるのは自然な流れだった。

 2月6日のバント練習。失敗する選手が続出する中、福地の初球をきっちりと成功させた。通算293犠打の本領発揮。ラミレス監督は「タナカが良かった。バントのうまいベテラン選手が、良い見本を見せてくれた」と名指しで褒め上げた。翌7日は約1時間の特守。ノックバットを握ったのは、現役時代のチームメートでもある指揮官だった。

「一言で言うと嵐。ノックの嵐でした」

 ユニフォームを泥だらけにしながら、新天地で充実していることを実感。最後にガッチリと握手した。石川、エリアン、宮𥔎ら激戦区の二塁だが、もともとベストナイン2度、ゴールデン・グラブ賞1度の実力者。「二番・二塁」をつかむ可能性は十分にありそうだ。
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