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ヤクルト 寺島成輝投手・早くも漂う大物の風格

 


 新人の寺島成輝は、第2クール初日(2月6日)にプロ入り後初のブルペン入り。捕手を立たせた状態で30球を投じた。

「7割から8割の力で投げました。立ち投げだったので、コースというより球の回転を意識しました。しっくりくる球も何球かあったので、その球を増やしたい」

 大阪・履正社高時代は甲子園やU-18などで名をはせ、ドラフト1位でヤクルト入り。「大事に育てたい」という首脳陣の意向から、1月の新人合同自主トレ(戸田)と沖縄・浦添キャンプの第1クールは投球練習を行わず、ランニングや体幹トレなどに励んだ。

 最速150キロ左腕に、首脳陣も高評価を与えた。真中満監督は「普通だと最初は力んで目いっぱい投げるけど、大物というか、自分のペースで投げていた。いい意味で石井一久みたい。ふてぶてしさというか、人を食った感じというか」と、かつてのエース左腕の名を挙げて評価した。寺島のボールを受けた小山田貴雄ブルペン捕手は「力感がないように見えて手元で『ビュッ』と来る。球速以上に速く見えました」と舌を巻いた。

 首脳陣のほかに、セ・リーグ数球団のスコアラーから視線を送られたが、寺島は「何も感じていません。ボールの威力をもっと上げていけたら」といたって冷静。

「野球のルールを知らなくても、プロ野球選手の寺島を知ってもらえるような活躍がしたい」

 新人王や将来の沢村賞などを目標に掲げる18歳。今後の成長が楽しみだ。
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