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ソフトバンク 上林誠知外野手・増量ボディーで自信もアップ

 


 外野手のレギュラー争いが面白くなってきた。上林誠知が、台風の目となっているからだ。圧巻は春季キャンプ第2クール2日目のフリー打撃。岩嵜と対戦し、右翼芝生席上部にある高さ約10メートルの木に打球をぶつけた。当たっていなければ確実に場外弾となった推定130メートル弾だ。

「マスコット(バット)のほうが重いので当たったら飛んでいく。翔さん(岩嵜)のボールの力で勝手に飛んでいったと思います」

 その前にバットを折られ、それより重いマスコットバットを振っての一撃だけに価値は高い。

 2年目だった2015年8月25日のロッテ戦[ヤフオクドーム]でのプロ初本塁打が、満塁弾の離れ業で一躍、期待の新星に躍り出た。だが、躍進が期待された昨季は14試合で打率.211と一軍定着に失敗。挽回を期したオフには10キロ増の88キロという増量ボディーを作り上げた。キャンプの休前日だった2月5日は師匠・内川から焼き肉をごちそうになり、ライスも5杯。翌6日は回転寿司店で64貫、さらにラーメン店をはしご。「胃袋が大きくなった気がしますね」と肉体作りへの“食トレ”も欠かさない。

 視察した王会長が「大きく育てたいね」と語るほど、将来の主砲候補としての注目度は高い。12日に行われたシート打撃では高卒2年目のドラフト1位右腕・高橋から右越えに一発を放つなど、その勢いは止められない。

「昨年は悩みながらやっていたけど、今年はありませんね」

 挫折を乗り越え、つかんだ手応えには厚みがある。
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