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広島 堂林翔太内野手・大器が開花の予感

 


 面構えから変わった。精かんな顔つきに、強さが加わった。堂林翔太が、今年は違う。

 フリー打撃、シート打撃、紅白戦で安打を放っても結果への手応えではなく「秋から取り組んできたことを、ずっと継続してやってこられている」と、自分のモノになってきた成果に笑顔が出る。長打力も復活。「この時期は怒られてばかりでほめられたことはない」という男が、いつも話題の中心にいる。

 一目で分かるのが打撃フォームだ。大きく構え、ヘッドは投手方向に傾いている。弟子入りした新井に似たフォームによりバットが寝るクセが改善。ヘッドが効くようになった。オープンスタンス、一本足打法、神主打法……。これまでコロコロとフォームが変わってきたが、今回はブレがない。陰から見守る新井も「いい打ち方で打っているから。いいんじゃないかな」と笑顔だった。堂林自身も「感触はいい」と笑った。緒方監督も高評価。送球に難があったことから外野手にコンバートさせ、ノックを受けさせている。打撃で結果が出るたびに、「守備はまだまだだけど、いい形で振れているよね。楽しみだ」と目を細めている。

 レギュラー争いではセンターの丸、右翼の鈴木は確定。堂林は残り1枠をエルドレッドや松山らと争うことになる。堂林は「打つしかない。打撃は目の色を変えてやる」と気合も入る。広島を連覇に導くキーマンとなるか。違いを見せる1年は始まったばかりだ。
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