プロ5年目を迎えた
加藤翔平が、外野の定位置奪取へ燃えている。昨年は80試合の出場のうち、スタメン出場は57試合。高い身体能力を持ち、俊足を生かした広い守備範囲と強肩には定評があるものの、打率.245、12打点、0本塁打、6盗塁に終わった。新人だった2013年、5月12日の
楽天戦に「七番・右翼」でプロ初出場を果たすと、史上7人目となるプロ初打席の初球を本塁打するという離れ業で話題を集めた。しかし、その加藤も正念場のときだ。
外野の3枠は、昨季首位打者と最多安打に輝いた角中は決定的。残り2枠は、2月26日の
巨人とのオープン戦(那覇)で左肩脱臼のケガを負ったとはいえ15年に打率.317をマークした清田、6年連続で100試合以上に出場している岡田が実績ではリードする。
レベルアップを図るため、加藤はオフにウエート・トレーニングを重点的に取り組んだ。さらに「これまでと違うこともやらないと」と、マーリンズの
イチローが取り入れていることでも知られる初動負荷トレーニングを導入している。
伊東監督から「強化指定選手」の1人として指名された2月の石垣島キャンプでは、休日もバットを振り込み「僕の立場で休んでいるわけにいかない」と必死に汗を流してきた。実戦に入っても「昨年よりスイングできている」と成長を実感。球界でも希少な両打ちという武器を持つ。打撃面でのアピールができれば、出場機会の増加につながっていく。