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西武 木村文紀外野手・選手生命を左右する本格勝負の1年

 


 野手に転向し、5年目を迎えた木村文紀。チームが右翼手のレギュラーを固定できない中、転向以降、「最有力候補」と言われ続けてきた。だが、ここまで奪い切れず。昨季は金子侑が急成長を見せ、内野守備の不安軽減策として右翼での先発起用が激増。加えて盗塁王獲得もあり、外せない選手として、今季からは外野手登録へ。いよいよ外野にも“空きポジション”がなくなる可能性が高まる中、「待った」をかけられるか注目だ。

 打撃が、そのカギを握る。素質は誰もが認めているところで、辻監督も就任直後から“熱血個人指導”を何度も行っている。言われ続けているのが、「前に突っ込み過ぎ」。これは以前からほかの指導者にも指摘されているだけに、自身も改善へ向け、試行錯誤をしていた。

 その中で、自主トレをともにした中村からのアドバイスで一気に腑ふに落ちたという。実際、今季初の対外試合となった2月25日の楽天戦(春野)では2点三塁打、さらに翌日の同カードでは先頭打者本塁打を放つなど、開眼の気配が漂う。

「一度、投手でクビになっているんだから、これでダメだったら終わりだという危機感は、最初から持っていますよ」

 攻守走そろう、そのポテンシャルから首脳陣に「起用機会を増やすため」と、一塁守備への挑戦も命ぜられているほどの逸材。“レギュラー選手”として華やかな経歴を築くか、“途中交代選手”にとどまるのか。今後の選手生命を左右する、本格勝負の1年になる。
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