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ソフトバンク D.サファテ投手・早い仕上がりが物語る守護神の思い

 


 遅れてきた守護神は少し、印象が変わっていた。アメリカでの独自調整を許されていたサファテは2月15日に来日。例年より3週間ほど早く始動し、トレーニングに打ち込んできた成果が4キロ増の106キロにつながる。覇権奪回への思いは、見た目に表れていた。

「(チームメートの)みんなからやせたと言われたけどね。自然にトレーニングで大きくなった。普段より早く仕上がっている」

 昨季はリーグ新記録となる43セーブで2年連続のタイトルを獲得。だがその裏で、自己ワーストの7敗を喫した。セーブ機会では打者を圧倒するが、7敗はすべて同点の場面だった。

「借りを返したい」

 早期始動の裏側には3年連続日本一を逃した責任感がにじみ出る。

 オープン戦初登板となった3月7日の日本ハム戦[ヤフオクドーム]では1回無安打無失点2奪三振と、昨季、辛酸をなめさせられたライバルを一切寄せ付けず、最速は153キロ。開幕まで3週間以上ある中で、いきなりの全開モードで周囲を安心させた。課題のクイックモーションも手応えは十分と、現時点で不安材料は見当たらない。

 来日通算は175セーブ。クルーン(元巨人ほか)の外国人最多177セーブの更新は確実で、200セーブの大台も視界に入る。さらに来季まで契約が残っているだけに、名球会の入会条件である通算250セーブも不可能ではない。酉年の“年男” だが、年齢を感じさせないパワーアップを果たし、日本一のクローザーとなるべく、右腕を振る。
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