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日本ハム 上沢直之投手・どん底からのリスタート

 


 復活の春到来の予感だ。上沢直之が2年ぶりの開幕先発ローテーション入りに猛アピールを続けている。2月10日、米アリゾナキャンプ中の紅白戦から4試合で9イニング連続無失点。3月12日の楽天とのオープン戦(倉敷)で先発し、初回に1失点して無失点イニングは途切れたが、4回1失点にまとめた。

 どん底からはい上がってきた。昨季は開幕直前の3月に右ヒジ手術を決断。ほぼ1年を棒に振った。実は昨年6月にも実戦復帰を想定していたが、回復は思うように進まなかった。オフの契約更改では年俸の半減以上となる1000万円でサイン(金額は推定)。「とにかく、今季は結果を出さないといけない。厳しい立場ということも分かっているけど、やれる自信もあります」。ガムシャラに突き進んできた。

 ブレークした2014年も春先に快投を連発した。プロ未勝利右腕だった3年前はキャンプやオープン戦の投球内容で首脳陣のハートをわしづかみ。勢い十分でシーズンに突入し、5月までに8戦5勝。脱力フォームから繰り出す伸びのある直球は140キロ中盤でも威力十分。新星はまぶしいほど輝いた。

 3月5日の巨人とのオープン戦では633日ぶりに本拠地・札幌ドームのマウンドにも立った。

「投げたかった場所で、ようやく投げられた実感があった」

 12年ドラフト6位入団のたたき上げ。立ち止まっていた野球人生は、プロ6年目の春に再び大きく加速し始めようとしている。
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